曇り、カーテン

目が覚める。カーテン越しに部屋に入ってくる日の光が思っていたより少ない。部屋は薄暗い。携帯を見る。16:44。次の瞬間、頭の中で睡眠時間が計算される。弾き出された数値が後悔と惨めさを連れてきた。数秒経つと言い訳が頭の中に響いた。心臓が激しく動き、不快感が胸から全身へと波紋状に伝わって行ったが、頭の中に響いた言い訳がそれを打ち消した。

湿気を吸ったフローリング直置きの布団のなかで次々と取り留めの無いことが頭の中で発生しては消える。思考の旅は最初の出発点からは思いもよらないところに辿りついていた。ふとした拍子に将来への疑問が頭の中でピカリと光を放った。次の瞬間、泥水が心臓の上から一滴垂らされ、全身に広がって行った。まただ、と思った。言い訳は頭に浮かばなかった。

起きよう、と思った。

上半身を起こし、カーテンをめくる。磨りガラス越しに見る空は白に近い灰色で万遍なく覆われていた。